【記事】「こんな体験は一生ないかもしれない」徳本 順子(EZO MOMONGA 123) インタビュー

2021年7月に行われたNISEKO ADVENTURE RACE 2021。その中でメンバーが怪我で脱落するという大きなアクシデントに見舞われながらも、残った3名で上位ゴールを果たした蝦夷モモンガ123の徳本順子選手にインタビューを行いました。

映像中でも「楽しいです!」と全く疲れを見せずに笑顔だった徳本選手。どうしてアドベンチャーレースに出会うことになったのか、チーム内ではどういった役割を果たしていたのかなど、レースやチームに対する想いをお伺いしました。

〈 聞き手=まつもと(ゆるやま!)、春木望(運営スタッフ)〉

ここで断ってしまったら一生こんなことはないかもしれないなって

2021のレース、実際に出てみてどうでした? 蝦夷モモンガのチームの皆さん、レースを通してすごいポジティブだなという印象を受けました。

徳本順子
蝦夷モモンガ123

本当に「ずっと楽しかった!」っていうのが正直な感想です(笑)羊蹄山登ったり、走ったり、ラフティングやったり…いろんな競技ができるし、地図とか指示書が配られてみんなで作戦をなんか立てることだったりとか「次は何が待ってるんだろ?」っていうワクワクがあってすごい楽しかった。

24時間行動だったので体力的にも不安はあったんですけど、競技がいろいろ変わるので体の負担も思ったほど大きくなかったです。夜中とかも眠くなるかな?と思ったけどフルに頭使ったり喋ったりとかしてたので、全然ならなかったですね。最後の最後バイク乗ってる時だけは結構しんどくて、早く帰りたかったですが(笑)

オリエンテーリングセクションの木谷さんの怪我はインパクトも大きくて残念ではありましたけど、みんなそれでも「木谷さんの分まで頑張って絶対完走しよう!」と頑張りました。みんなで前のチームに追いついてやるぞ!という感じで、最後ゴールに向かうロードではコンビニにも一切寄らずに走ったりとか。山本さんはコンビニでアイス食べたかったらしく「えーアイスはー?」とか言いながらでしたけど(笑)

トラブルがあって大変でしたが、その後の追い上げは本当にすごかったです。メンバー的には役割などはあったんですか?

徳本

はっきりは決まってないですけど、福島君は体力があるのでほぼ荷物を持ってもらったりしていました。チーム共通の必携品や追加の補給食とかはほとんど持ってもらってましたね。どのチームも体力がある人、ない人がいると思うんですが、蝦夷モモンガでは完全にスタートするときから荷物を振り分けてました。作戦的な感じで。

ナビゲーションに関しては他の3人がオリエンテーリングとかロゲイニングのベテランなので、全く問題はなかったです。

皆さんOMM(*注1)でもトップ選手ですもんね。どういう経緯で蝦夷モモンガに参加することになったんですか?

徳本

TRAIL HUTっていうランナーとかが集まるカフェがあるんですけど、そこの店長の方から急にメッセージが来て「女性メンバーを探してるチームがあるんですけどどうですか?」って。それまで他のメンバーとは知り合いではなかったですし、最初は断ろうと思ってたんですよ。

アドベンチャーレースについて知らなかったのでいろいろ調べてみたら、なんか24時間とか夜通しやるとか出てくるし、そもそも函館マラソンがその日程と被ってたんですよ。無理じゃん!と思って(笑)でも断りのメールを書き終わって、送る直前になって「ちょっと待てよ」ってなったんです。できない理由とか断る理由はいっぱいあったんですけど、ここで断ってしまったらもう一生こんなことはないかもしれないな、と。結果的にはレースに出場して本当に良かったです。

チームの人たちと出会えて、ロゲとかオリエンとかマウンテンバイクだったりとか、本当に世界がすごい広がって。こんな楽しいこといっぱいあったのを知らずに今まで生きてきたんだなって思いました。結局函館マラソンは延期になったので、そちらも結果的には問題なかったという(笑)

左から 徳本 木谷 福島 山本(敬称略)

本質的にはすべて「遊び」だから、気楽に参加してほしい

もともと何かスポーツをされたんですか?最近は頻繁に長距離レースも出られてると思うんですが、日常的に練習していることがあれば教えてください。

徳本

小さい頃から水泳をずっとやってました。高校時代は一旦別のスポーツもやっていたんですけど…なのでこんなに山道を走るとかは全く思ってなかったですね。

マラソン自体は社会人になって始めたんですが、3年前ぐらい前に札幌でランニングチームに所属してから割としっかりした練習をやるようになりました。その後コロナ禍の影響もあって、人混みを避けるために藻岩山に登ったのがトレランに出会ったきっかけなので、山を走るようになったのは本当に最近です。

練習は去年のレース前に、みんなで集まってやっていました。マウンテンバイクに全然乗ったことなかったんで、最初の練習の時に林道30kmぐらい走ってへろへろになったりとか(笑)あと福島君と夜に20kmぐらい山走って練習したりしていました。

地図読みについてはレース前に練習はほとんどできなかったんですけど、私以外はみんな地図読めるので、レース中もせっかくだから勉強したいと思って、いろいろ教えてもらいながらオリエンテーリングやったりとか。オリエンセクションは深夜だったんですが、頭フル回転だったので全然眠くなりませんでしたね。普通にただ歩いてたら福島君に「コンパス持ってるんだったらちゃんと地図みながら歩いて!」とか言われたり結構スパルタな感じで(笑)

レースのあともOMR(*注2)だったりOMMだったりに出場する機会もあって、今年はナビゲーションでももう少しチームに貢献できると思います。

徳本さんもナビゲーションできるようになったら今年の蝦夷モモンガは最強ですね(笑)女性がレースに参加するにあたって、どうしても男性に比べて体力がなかったりとかハンデもあると思うんですけど、チーム内でのポジションとかで意識したことはありますか?

徳本

女性がそのチームにいる役割としては、必ずしも女性がそうかっていうと違うかもしれないですけど…ムードメーカーというか、空気を和らげるというか、そういう役割は向いているかもと思っています。思い通りにレースが進まないときとか、トラブルが起きたときはもちろんですが、ただそこにいるだけでもなんとなくチームの雰囲気がよくなる存在というか。私がその役割をできてたかどうかは分かんないですけど(笑)

あとは他の3人は経験者で、私は未経験だったので足を引っ張ってしまうのはある意味仕方ないかもしれないですが、ただついていくだけではなくて、何か1つだけでもチームに貢献できたらなっていうような気持ちは持つようにしていました。

例えばオリエンセクションで1個だけでも自分でポイントを見つけようとか、パスポートのパンチ係は自分でやろうとか。そういうことを自分がやったら、その時間で他のメンバーがナビゲーションできたりするので、どんな小さなことでもしっかりやっていれば、チームにプラスになることはできると思っています。

終始笑顔の徳本選手

今年の大会は名称もNISEKO EXPEDITIONに改名、コースもエキスパート向けとエントリー向けの2つに分かれます。敷居という意味では参加しやすくなると思うんですが、初参加を考えている人に向けてアドバイスなどがあればぜひ。

徳本

私もアドベンチャーレースは去年まで知らなくて、たまたま声をかけてもらって初めて「何それ!?」って調べて知ったという感じで、第一印象はすごい大層な、ヤバいレースみたいにも見えるとは思うんです(笑)

でも1つ1つは遊びというか、登山、MTB、ラフティングも全部本質的には遊びじゃないですか。なので、あまり深刻に捉えずに楽しんでいこう!みたいな気持ちで始めてもらえればいいんじゃないかなと思います。

今年のNISEKO EXPEDITIONに対して、意気込みとかこういうところを頑張りたい!とかありますか?

徳本

やっぱり去年4人でゴールできなかったので、まずは「4人でゴール」が目標ですね。去年よりもだいぶ体力もついたし地図も見れるようになったので、自分がチームに貢献できるところをちょっとでも増やせたらいいなと思ってます。

役割っていうのはがっちり考えてる訳ではないんですけど、4人の個性を活かしつつ全体としてバランスを取っていけたらいいなと思っています。

「蝦夷モモンガ」って言いながら、引っ越しで蝦夷にいる人が半分になっちゃったんですけど(笑)同じ4人で楽しくレースができたらいいですね。

今年は4人でゴールできるよう応援してます!

*注1)OMM(Original Mountain Marathon) URL: https://theomm.jp
*注2)OMR URL: https://omr-sec.com/

NISEKO EXPEDITION 2022 Official WEB

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