【記事】「人類に興味ない」チームイーストウインド鬼軍曹の日常の姿に迫る - 田中正人 & Sue インタビュー #3

TV番組クレイジージャーニーで、鬼軍曹としてお茶の間にその名を轟かせ、ジャンクSPORTS出演時には「今後働かない」宣言で出演者に大バッシングを受けたこともある田中正人。

鬼軍曹というあだ名の印象や、クレイジーなイメージが先行(?)してますが、実はレースで大事なのが「人間力」と語る正人さん。

今回はイーストウインドに対するSueさんの想いをお伺いしました。

〈 聞き手=まつもと(ゆるやま!)〉

その夢に便乗させてもらっている

Sue

田中正人と女の子に興味ないの?とか、誰かのいないの?って話をしたことがあるんですけど、今まで「人類興味なかった」って(笑)

聞いたことないでしょ、人類に興味ないって。人類に興味ないってどういうことですか?

田中正人

人とコミュニケーションとるの自体が億劫っていうか好きじゃない…コミュニケーション克服しようと思ってアドベンチャーレースやってはいるんですけど、個人的なことになると余計苦手で。SNSとかでも絶対僕は返さないし。

僕の欠点でもあるかも知れないけど、あんまり人に対して感情移入しないんですよ。自分のことも結構引いてみちゃったりもするときも多くて、あんまり何事に対しても感情が動かないことが多いかな。よくも悪くもってとこはあると思うんですけど。

Sue

リーダーとしては必要な素質かもしれませんね。私はすごい感情派で、田中正人は理論派なんですよ。

メンバーの中でもそこは大きく分かれるので、私は感情派の子の気持ちがわかるし、田中正人は理論派の気持ちがわかる。なんでそういう言い方するの?っていうのはこの2人の間ではお互いに腑に落ちるんですよね。メンバーにフィードバックはしないですが(笑)

テレビ的にはSueさんは視聴者寄りの人で、正人さんにある意味無理に合わせて支えてる、みたいなイメージで見えてる人も多いと思います。それは実際とは違うと思うんですが、Sueさんの中でイーストウインドを応援する原動力を説明するとしたらなんですか?

Sue

私、夢がないんですよ。何かに人生かけるってものに出会える人って本当に何万分の一とかって思ってて。

みんな漠然となんかしたい、とかあれが欲しい、これが欲しいっていうのはあるでしょうけど、ほんとにそれだけに突き進むような夢に出会える確率って少ない…それに会えるって幸せって思ったんですね。

夢がない自分は、夢を持ってる人の夢を全力で応援する。それが自分の夢になってくるっていう。だからイーストウィンドの目標が世界で1位を取るっていう目標、その夢に便乗させてもらっている感じなんですよ。だからSNSで叩かれたみたいに、洗脳されてるとは微塵も思ってなくて、夢を一緒に見させてもらってると思っています。

好きなサッカーチームとかあるじゃないですか。自分サッカーしないけど応援しに行くみたいな。あのノリかも知れないですね。イーストウインドと田中正人の強烈なファンですね。

夢に便乗というワードがすごい心に残りました

さらに空白は埋まらない

今までで1番「死ぬ!」と思ったのはいつですか?

田中正人

レースでは僕はないんですよね。ただ練習してる時にカヤックで「あ!しんだかな?」って思うことはあります。アンダーカットロックっていって、でっかい岩の中が滝みたいになっててそこの中に水流が入っちゃってる感じ。だいたいそういうところは流木が引っかかっているので、そこに吸い込まれたら引っかかって出てこれなくなるんですよね。

みんなリサーチしてアンダーカットロックの位置を確認していたんですけど、間違えてそのデス・コースに入っちゃって。スーッとそこに落ちてく最中に「これで俺の人生終わった」って思いながら入ってきましたね(笑)

Sue

私も1回殺されかけましたもん。

1番最初に田中正人のガイドで艇に初めて乗ったとき、増水した川でラフティングの艇がひっくり返ったことがあって。乗っていたお客さんがみんな川に流されていったです。

私も放り出されて、みんなと一緒に流されてると自分では思っていて、飲み込まれては吐き出されを繰り返して、目の前に大きな岩があったのでとりあえずへばりついて助けを待ってたんです。

田中正人

僕が艇をひっくり返したあと、人を回収して数を数えたらひとり足りなかったんだけど、僕の後ろの挺の人がハンドサインでなんか「スイマー1人」「オッケー!」みたいなサインを出したので、「あ!じゃあ後ろの艇が足りない人回収してくれたんだな」と思ってそのまま川を下ったんです。

下のトロ場に行って改めて「じゃあみんな元の艇に戻って!」って言ったらやっぱりひとり足りなくて、よく見たらいないのSueさんじゃん!って話になって。その時にもう「あ、やっちゃったな」「殺しちゃったな」と思いましたよ。

みんなして「川底にオレンジ色のジャケットがないか探しながら行け」って川岸を登っていったんですけど、「あぁ…どこで死んでんだろう」って思いながら探していたら、上流のエディで岩にしがみついてた。

でもその後、一番の被害者なのに雰囲気を悪くしちゃいけないって言って、一生懸命他のお客さんを盛り上げてくれてました(笑)

それは結婚してすぐ?

Sue

結婚する前です。

本当に空白は埋まらないですね(笑)

死にそうな体験談を笑って話すお二人でした

記事では紹介しきれなかった
インタビューの全容はこちらから!(第3回/全3回)

田中 正人

たなか まさと

Team EAST WIND

プロアドベンチャーレーサー

2017年、TBS系クレイジージャーニーに出演、アドベンチャーレースの認知とともに、「鬼軍曹」としてお茶の間を震撼(?)させた日本のAR界を牽引する田中正人。

疲労と苦痛の中レースを続けるチームメイトに「幻覚は楽しめ!」「失神したら痛いと認める」と檄を飛ばし、レース中嘔吐しそうになれば「(カロリーを無駄にするな)吐くな!飲み込め!」と発言するなど、過激な言動が注目されがちだが、チームメイトとの関わりを通じて「チームビルディングやリーダーのあるべき姿」を模索し続けており、アドベンチャーレースの魅力の一つが、「人との関わり、人間力」である、と断言する。

レース以外にもレース、大会の運営、講習会、講演会など幅広く活動している。

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竹内 靖恵

たけうち やすえ

EAST WIND チームプロデューサー

鬼軍曹の鬼嫁

鬼軍曹・プロアドベンチャーレーサー田中正人も怖がる鬼嫁。トランスジャパンアルプスレース(TJAR)実行委員も務める。

元某上場企業の翻訳・通訳。その語学力を生かし、1997年レイドゴロワーズ・南アフリカ大会でTeam EAST WINDのアシスタントを務める。

1998年アラブ首長国連邦にてロシア系の会社で秘書業務に就く。帰国後、Team EAST WINDのプロデュース及び海外レースの翻訳・通訳・交渉、国内アドベンチャーレースの事務局を担当する。そのキャシャな体にあるバイタリティは並大抵ではない。

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