【記事】アドベンチャーレースを始めるには?最低限これだけおさえよう!初心者必須のレース知識 前編
ゆるやま!まつもとです。
皆さん、アドベンチャーレースにどんなイメージをお持ちですか?
- 楽しそう
- とにかくキツそう
- トレラン?
- サバイバルレース?
- 怪我しそう
- そもそもよく知らない
人によっていろいろなイメージがあると思いますが、どちらかというとキツいイメージを持っている人のほうが多いかも知れません。
過酷なイメージが先行している上に情報源があまりなく、例えば初めてレースに参加しようと思ったときも、何を準備していいかわからない人は多いのではないでしょうか。
その「レースに参加するとき何を準備すればいいの?」という質問に答えるべく、アドベンチャーレース界の一般人代表ことまつもとが、これだけ押さえればとりあえずはレースに出られる!というポイントを解説します。

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アドベンチャーレースを始めるには? 前編
↑すぐに知りたい項目がある人はリンクから飛んでください
アドベンチャーレースって?
そもそもアドベンチャーレースってどんなレースなの?という人も多いと思います。
一言で説明するなら、
- 大自然のなかで地図を持ってチェックポイントを回りながら
- トライアスロンのように区間ごとにランやMTBなどいろいろな競技をこなし
- 男女混合チームで協力しながらゴールを目指す
うんごめん、全然一言じゃないし、分かりにくい。
具体的な内容が知りたい方は過去にゆるやま!で公開している動画や、NHKのグレートレース、クレイジージャーニーなんかで特集されているので、ぜひ一度みてください。
ゆるやま! 過去のレースドキュメンタリはこちら
さて、これでレースの様子は伝わったかと思います。
そうですよね、分かります。「こんな激しいレース出れるか!」と叫んでいる皆さんの姿が、もう目に浮かぶようです。
でも大丈夫。懐が広いのもアドベンチャーレースのいいところ。動画で取り上げているようなトップを争うチームだけでなく、自分たちのペースで楽しむチームもたくさんいます。

レースの目的は人それぞれ。
まずは制限時間内にゴールする「完全完走」を目標にしてみましょう!
アドベンチャーレースの基本ルールを知ろう
ここからは具体的な内容を解説していきます。
まずアドベンチャーレースの基本的なルールについて。
- 男女混合チームで規定人数であること(レースにより2〜4人)
チーム人数はレースによって幅はありますが、男女混合であることが基本となります。
ただ実際には同性のみのチームや規定外の人数であっても、オープン(正式な順位がつかない)で参加できるレースも多いです。
- GPS機器など電子機器の使用は禁止
レース開始時に渡された地図と、コンパスのみでルートを探します。
例外で地元の人に道を聞くとかはOKな場合が多いですが、もちろんその相手がGPSを使ったりするのは×です。
あと景色を撮ったりもするので黙認されていますが、本当はスマホとかもNGですよ。
- 動力の使用は原則禁止
車、動物、タクシー、飛行機、エレベーターなどなど。特殊ルールで指定されていない限り、動力の使用は禁止です。
- 全員ですべてのチェックポイントを回ってゴールする
最後まで全員揃ってレースを続けたチームのみ順位がつきます。怪我や体調不良などで誰かひとりでもやめた場合にはリタイア扱いになります。
逆にいえばこれ以外は基本的には何をやってもOK。せっかく出場するレース、ルールの制限を守ることも楽しみのひとつです。
まだまだ発展途上なアドベンチャーレースなので、厳密にこれ!という明確なルールが決まっていないところも多々あります。レースによってまちまちなので各大会要項をしっかりチェックすることをオススメします。
レースに出るには何が必要? - 道具編
さてさて、初めてレースに出るとき困っちゃうランキング1位の道具についてです。
とりあえず必要なものはこちら!
- ザック(リュック)
- シューズ
- コンパス
- レインウェア
- 地図ケース
- ヘッドライト
- ホイッスル
- グローブ
- 救急セット
- エマージェンシーシート
- その他ウェア
- 行動食

レンタルできることが多い、MTBやカヤック、ヘルメットなどはリストから外しています。
それだけで高額な買い物になってしまうので、本格的にレースをやりたい人以外はレンタルで大丈夫です。
他にもパンク修理ツールなどレースによっては必要なものもあるので、詳細は各大会要項を確認してくださいね!
パッと見ると多いと感じるかもですが、登山経験者なら実はすでに持っているものがほとんどです。日頃から登山に行く人は使い回しでもレースに出ることはできると思います。
ただ道具には向き不向きがあるので、できればちゃんとレース向けのものとして各メーカーから販売されているものをオススメします。
自分が過去に使ったことがあるものを含めて、レースで使い勝手がよさそうな製品をいくつか紹介していきますね。
ザック
まずはザックから。
国内レースは20kmくらいのレースから、長いものであれば100km以上のものもあります。
距離が伸びたり、補給ポイントが少ない場合には自分で持ち運ばなければならない荷物も増えるので、当然ですが大きなザックが必要になります。レースによってはパックラフト(空気でふくらませるボート)やテントを背負うこともあり、そうなると必然的に必要な容量は大きくなっていきます。
いろいろなレースがありますが、今回は国内レースでもメジャーなエクストリームシリーズ(制限時間10時間くらい)と、撮影で関わっているNISEKO EXPEDITION(レース想定24時間くらい)を参考にザックを選んでみましょう。
選ぶべきザックのポイントはこんな感じ。
- ファストパッキング向け、ウルトラライト仕様など軽量設計のもの
- ザックを降ろさなくても使える位置にポケットが豊富なもの
レース10時間くらいまで、必携装備少なめのレース
- The North Face (ザ・ノース・フェイス)MARTIN WING 16💰
- SALOMON(サロモン)XT 15💰
- The North Face (ザ・ノース・フェイス)TR ROCKET💰
- SALOMON(サロモン)OUT DAY💰
基本的にエクストリームシリーズのような1日完結のレースであれば、トレランザックと呼ばれているもので大丈夫です。
ただゴリゴリのトレイルランナーが身につけているような10リットル以下の小さいぺったんこザックは、見た目はかっこいいんですけど基本的には上級者向けですね。
小さいザックに荷物を詰める場合には装備を相当厳選する必要があるため、はじめは15〜20リットルくらいを目安にするといいと思います。10時間くらいまでのレースならそれで事足りるはずです。
レース時間24時間前後、テントなどの装備なし
- The North Face(ザ・ノース・フェイス)FP30 L💰
- mont-bell(モンベル)アルチプラノ 30(オススメだけど廃盤ぽい)
- Ultimate Direction(アルティメイトディレクション)FASTPACK 35 M/L💰

短距離用、長距離用ともにリストアップしたザックはどれも一流メーカーのもので、値段は少々張りますが信頼のおけるザックです。また自分が店頭で実際に背負ってみたりして印象がよかったものを選んでいますが、同等のものであればもちろん他ブランドでも問題ありません。
どうしても予算が…という方は、Amazonで検索すると3000円とかで買えるザックも出てくるので、上の情報を参考に探してみてください。
また通常の登山用ザックがダメというわけではありません。すでに持っているならそれでも大丈夫です。新しく買うなら上で紹介したようなものをオススメします。
24時間想定のアドベンチャーレースの場合、途中にテント泊を含むとか、パックラフトを運ぶとか、そういう特殊な条件がなければ30リットルくらいのザックで大丈夫です。
あとは道中コンビニなどで補給できるか、自力ですべての食料や水を運ぶ必要があるかとかですが、そのあたりも含めて30リットルあれば基本的には問題ないと思います。
容量に関わらずできればクリアしたいポイントが、水、食料、地図、コンパスなど、必要なものがザックを降ろさずに取り出せること。休憩するとき以外は基本的に歩いたり走ったりしながら物を出し入れするので、これがやりやすいかどうかでレース中のストレスが全然変わります。
ザックを選ぶときはこの「歩きながら荷物の出し入れが簡単にできるかどうか」を重点的にチェックしてみてください。
ザック選びまとめ
- 1日完結レースなら15-20リットル、24時間なら30リットル
- トレランやファストパッキング用にデザインされた軽量のものが◎
- ザックを降ろさずに荷物の出し入れが簡単にできるものを
シューズ
次に重要なのがシューズ。
基本的にはトレランシューズという、山道などの不整地を走るために作られた靴一択になります。
トレランシューズは靴の上側は普通のランニングシューズみたいな素材なのですが、底が登山用のパターンになっていてスリップを防ぐ構造になっています。
シューズについては足との相性が重要なので、参考リンクは載せておきますができれば試着をオススメします。
自分は最近は Nikeの Wild Horse というマイナーなシューズを使っていますが、Amazonのリンクが怪しいものしかなかったので、気になる人は公式でどうぞ。
上で紹介したとおり5,000〜6,000円くらいから買えるものもあるので、うまく探せば思ったより出費が抑えられると思います。

防水性(Gore-Texなど)が必要かどうかについて
アドベンチャーレースの場合、膝までどっぷり水に浸かるレースがほとんどなので、結局浸水するため防水性は気にしないで大丈夫です。
レースでGore-Texが活きてくるシチュエーションは、どちらかというと水対策よりも寒さ対策。寒い時期に湿気で足が冷えてくるとそれだけでダメージになるので、そういう場合は通常の素材よりもGore-Texが優れていると言えます。
雪の中や夜の湿地を長時間歩くとか、そういう状況が想定されるレースではぜひGore-Texを選択してみてください。
自分の命を守る重要なアイテムのひとつなので、あまり値段にこだわらずにできれば試し履きしてみて、フィーリング、フィッティング重視で選ぶことをオススメします。
シューズ選びまとめ
- 山を走るために設計されたトレランシューズを選ぶ
- 値段の高い安いよりも足にどれだけフィットするかが大事、できれば試着を
- 通常のレースではGore-Texの利点はあまりない
コンパス
初めて道具を買うとき、コンパスほど選ぶ基準が分からないものもないかと思います。
一般的に初心者が選ぶといいよ、と言われているのがプレートコンパス。コンパスの円形の部分がプレートに固定されていて、プレートやリングを使って地図と方角をあわせたり距離をみたりすることができます。
ただプレートつきであれば何でもいいわけではなく、個人的に重要なのが針のスムーズさと止まりのよさです。
これがよくないと針が固まって違う方向を指したままになっていたり、地図を動かしたときに追従が遅くて見づらかったりします。

実際に針の動きが悪いコンパスを使ってルートミスったことあります。あれはツラい。
そんなプレートコンパスのオススメはこちら。安心と信頼の定番モデルが安いからそれで問題なし!
- SUUNTO(スント)A-10NH💰(ニセモノかと疑うくらい安い)
- SILVA(シルバ)No.3💰
使い方は後半で解説します。
コンパス選びまとめ
- かっこいいオリエンモデルとか欲しくなるけど初めはプレートコンパス一択
- 定番中の定番モデルがよい。プレートが短いものなどは避ける
レインウェア
これはレースによっては必携アイテムではないですが、山の中を行動する以上、絶対に持っていたほうがいいのがレインウェア。
これに関しては値段が高いものほどいいのは間違いないので、予算がある人は薄くて軽くて透湿性に優れたものを買ってください。
多分レースギアの中で一番値段が張るのがレインウェアなんですが、最近はワークマンなどで価格破壊が起きているので、とりあえず!ならこれとか試してみてもいいかもしれません。

ちなみに日本を3,000km縦断した某氏は、レインウェアはワークマンのものを都度買い替えながら旅をしていましたよ。
自分はmont-bellのストームクルーザーを5年くらい使い続けています。
ボトム(レインパンツ)の必要性ですが、レース中はよほどの土砂降りにならない限りはボトムを履くことはあまりなくて、どちらかというと防寒目的で使うことが多いです。夜の冷え込み対策にもなるので、寒い時期のレースであれば持っておいたほうが無難です。
レインウェア選びまとめ
- 高ければ高いほど防水透湿性がよく、薄く軽くなる
- 予算を割けない場合は、ワークマンなど新興ブランドを試してみるのもアリ
- ボトムは寒さ対策で持っていたほうがいい場合も
その他
それ以外のものは細かく解説するほどではないのですが…ここをみればとりあえず全部揃う!という記事にするべく、一挙に羅列してみます。
地図ケース
マップケースは地図を濡れから守るために使用します。
Ziplocは冗談ではなく本当に使ってます。紐を通す穴がない、くらいしか欠点が見当たらない。
ヘッドライト
明るいほうが便利ですが、バッテリーの消費も半端ないです。どちらにしても予備バッテリーは必須。
緊急用の小物類
緊急時に応急処置ができるセットは必ず持っておいてください。怪我したときにスタッフがすぐに来れるとは限りません。持病などがある場合や、お腹を下しやすいなど、常備薬も入れておくようにしましょう。
またホイッスルはアドベンチャーレース忘れ物No.1(ゆるやま調べ)。ヘッドライトのバッテリと合わせて、事前に確認しましょう。
その他ウェア
- MILLET(ミレー)DRYNAMIC💰
- finetrack(ファイントラック)ドライレイヤーベーシックT💰
- CW-X ジェネレーターモデル 吸汗速乾💰
- F-TUBAME サイクリンググローブ💰
- mont-bell(モンベル)クール ロングスリーブジップシャツ
肌に触れるベースレイヤーは、汗がすぐ乾く構造になったものを選んでください。ベースレイヤーが保水せずにひとつ上の服に水分を渡してしまうので、体を汗冷えから守ることができます。
その上に着る服はモンベルを参考としてリストアップしましたが、正直ユニクロのスポーツシャツでも大丈夫です。
ただし藪などに入っていくので、慣れないうちは長袖のほうがベターです。思ってるよりも腕がズッタズタの傷だらけになります。
スポーツ用のタイツや、怪我防止にサイクル用のグローブも用意しましょう。特にグローブはMTBのハンドルの衝撃を和らげてくれたり、転倒時に手のひらを怪我から守ってくれます。
グローブは指ありか指なしか悩むところなんですが、自分はコンパスや地図の操作性を考えて基本穴が空いているものを使っているので参考にしてください。
ウェアは全体を通して、登山やトレランのスタイルが基本となります。そのあたりは詳しいサイトはたくさんあると思うので、ここではあまり深堀りしないでおきます。

ウェアはベースレイヤー以外は結構適当に選んで大丈夫とは思いますが、
綿などの水を吸ったら乾きにくい素材だけは避けましょう。
ウェア類選びまとめ
- 透湿に優れたベースレイヤーを選ぶ
- 上に着るシャツはドライ素材のものならユニクロとかでもOK
- 自分はベースにエアリズム重ね着して+ユニクロスポーツシャツで凌ぐこともある
その他おすすめアイテム
- GURNEYGOO(ガーニーグー)💰
- New-HALE(ニューハレ) テーピングテープ💰
- 亀田製菓「亀田の柿の種 梅しそ」💰
- MEDALIST エナジージェル コーヒーとはちみつ 💰
- MEDALIST エナジージェル グレープフルーツとはちみつ💰
アドベンチャーレース界では言わずと知れたガーニーグー。ワセリンを主成分として、ティーツリー葉油などを配合したスレ防止用のクリームです。特にマメになりやすい足裏などに使います。
自分はガーニーグーのおかげで、フルマラソンの42.195kmまではスレによるマメは一切できなくなりました。他にも自転車のサドルの股擦れなんかも防止できます。足裏などマメになりやすい、という方はぜひ試してください。
テーピングテープの代名詞のようなニューハレ。ニューハレは東京マラソンの練習から使ったんですが、伸びがちょうどよくサポート感があって使いやすかったです。自分は足首の捻挫グセと腸腰筋周りの張りや痛みが出やすいんですが、ちゃんとテーピングしてからは痛みがだいぶ軽減しています。
最後に行動食の定番、亀田製菓柿の種。梅しそ味が大好きなので、基本こればっかり食べています。お腹を埋めるのは基本これ。
それ以外にエナジージェルのカフェイン入りとカフェインなしも持ち歩いています。その辺のアウトドアショップで安く買えるので、1-2時間に1個くらいのペースで飲んでおくといいですよ。
必要な道具まとめ
アドベンチャーレースに必要な道具をざっと解説しました。
上で紹介した動画をみてもらえば分かりますが、頑張って安いものを探せばゼロから揃えたとしてもこのくらいでいける!はず!

イチから登山道具+αを揃えてこの価格です。もちろん値段に関わらず、自分が気に入ったもので揃えるのが一番ですよ。
レースで揃えるもの一覧
- ザック(リュック)
- シューズ
- コンパス
- レインウェア
- その他必携の小物と行動食
道具を一式そろえたところで、後編「レースで必要な技術って? - 知識・技術編」に続きます。
ではまた!
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